前回の続きです。
第六章: 「女王陛下の試練――キスの是非」
謁見の間は、金と白を基調とした壮麗な空間だった。柱には精緻な彫刻が施され、シャンデリアが輝いている。
その奥の玉座に座るのは――美しき女王だった。
「……ほう、これが噂の“拒まない男”か」
玉座に優雅に座る彼女は、目が覚めるような銀髪を持ち、まるで氷のような青い瞳で俺を見据えている。美貌は女神のようで、威厳と気品をまとっていた。
だが、俺はすぐに気づいた。この女王――俺のことを試そうとしている。
女王はすっと立ち上がり、俺の目の前まで歩いてきた。
「私はエルヴィア。この国の女王だ。……お前が、近年稀に見る“キスを拒まない男”なのか?」
「ええと……まあ、そんなことに……なってるみたいですね?」
「ふむ」
エルヴィアは俺の目をじっと見つめる。
そして――
「では、ここで試してみよう」
俺の顎に指を添え、ゆっくりと顔を近づけてきた。
(……は?)
俺の心臓が一瞬で跳ね上がる。
え? これ、マジでキスする流れ? 女王陛下が? 俺と?
「……断ることもできるが?」
エルヴィアは冷静な声で言った。
そうだ、俺には拒否権がある。もしここで拒めば、最近の流行に則って「慎み深い男」として評価されるだろう。
でも、ここで拒んだらどうなる? 俺の「拒まない男」という評判は失われるかもしれない。いや、それ以上に――
(ここで拒んだら、この異世界で生きていくうえでの超重要なチャンスを逃すんじゃね!?)
エルヴィアの唇が、ゆっくりと俺に近づく。
(くそっ……どうする!? どうする、俺!?)
俺はこの異世界で、どの道を選ぶのか――。
第五章: 「女王陛下との謁見――最高峰のキス文化」
「……で、なぜ俺が王国の女王に会うことになってるんだ?」
村の長老に呼び出された俺は、エリシアと共に馬車に揺られながら、訳が分からずため息をついた。
エリシアは楽しそうに微笑む。
「セイジさん、最近この村の女性たちからの人気がすごいことになっていますからね」
「いや、それが問題なんじゃ……?」
「いえいえ、それが国全体に影響を与えるレベルになっているのですよ」
は? そんな馬鹿な。
「セイジさんは、**“キスを拒まない男性”**としてこの村で一気に話題になりました。そしてその噂が近隣の王国にまで広がり、ついに女王陛下が興味を持たれたのです」
「……興味?」
「はい、『そんな貴重な男性が本当に存在するのか』と」
「ええ……」
俺は馬車の窓から外を眺める。広大な草原の先に、美しくそびえ立つ城が見えてきた。
(こんなことで、王国のトップにまで目をつけられるとか……俺、異世界転生してまだ間もないのに、展開が早すぎるだろ!?)
馬車は城門をくぐり、豪華な庭園を抜けて、やがて謁見の間へと案内された。
第六章: 「女王陛下の試練――キスの是非」
謁見の間は、金と白を基調とした壮麗な空間だった。柱には精緻な彫刻が施され、シャンデリアが輝いている。
その奥の玉座に座るのは――美しき女王だった。
「……ほう、これが噂の“拒まない男”か」
玉座に優雅に座る彼女は、目が覚めるような銀髪を持ち、まるで氷のような青い瞳で俺を見据えている。美貌は女神のようで、威厳と気品をまとっていた。
だが、俺はすぐに気づいた。この女王――俺のことを試そうとしている。
女王はすっと立ち上がり、俺の目の前まで歩いてきた。
「私はエルヴィア。この国の女王だ。……お前が、近年稀に見る“キスを拒まない男”なのか?」
「ええと……まあ、そんなことに……なってるみたいですね?」
「ふむ」
エルヴィアは俺の目をじっと見つめる。
そして――
「では、ここで試してみよう」
俺の顎に指を添え、ゆっくりと顔を近づけてきた。
(……は?)
俺の心臓が一瞬で跳ね上がる。
え? これ、マジでキスする流れ? 女王陛下が? 俺と?
「……断ることもできるが?」
エルヴィアは冷静な声で言った。
そうだ、俺には拒否権がある。もしここで拒めば、最近の流行に則って「慎み深い男」として評価されるだろう。
でも、ここで拒んだらどうなる? 俺の「拒まない男」という評判は失われるかもしれない。いや、それ以上に――
(ここで拒んだら、この異世界で生きていくうえでの超重要なチャンスを逃すんじゃね!?)
エルヴィアの唇が、ゆっくりと俺に近づく。
(くそっ……どうする!? どうする、俺!?)
俺はこの異世界で、どの道を選ぶのか――。
女王陛下のキス試練、ついに決断の時が迫る!!
第七章: 「毒を食らわば――王国最高のキス」
(……もう、どうせこうなったら行くしかねぇ!!)
俺は覚悟を決めた。
ここで拒むことは簡単だ。でも、それじゃ「キスを拒まない男」という俺の伝説が揺らぐ。
それに、目の前にはこの国を統べる女王陛下。絶世の美女であり、威厳と気品に満ちた女性。
(ここで、ただの挨拶程度のキスで済ませるほど俺は甘くねぇ……!)
俺は一歩、前へ出た。
「――陛下」
「ん?」
エルヴィアの目がわずかに細まる。
「王のキスが軽いものであっていいんですか?」
「……ほう?」
その瞬間、俺は躊躇なくエルヴィアの腰を引き寄せた。
「っ……!?」
周囲の近衛兵たちが一瞬、剣に手をかける。だが、エルヴィアは微動だにしなかった。
俺は、女王の唇に――深く、情熱的なキスを仕掛けた。
「んっ……♡」
静寂が広がる。
エルヴィアの柔らかな唇を味わいながら、俺はさらに深く口づけを進めた。
ただ触れるだけじゃない。しっかりと彼女の唇を感じ、絡ませる。 まるで長年の恋人のように。
すると――
「……っふ、はぁ……♡」
エルヴィアの呼吸が甘く乱れる。
彼女の唇がほんの少し開き、俺を受け入れるように誘ってくる。
(まさか、女王陛下がこんな……!?)
俺はもう一歩踏み込む。唇を優しく噛み、軽く舌を差し込む――
「んっ……は……♡」
エルヴィアの体がわずかに震えた。
――長い、長いキス。
俺が唇を離した時、玉座の間は完全な沈黙に包まれていた。
女王エルヴィアは、色っぽく潤んだ瞳で俺を見つめていた。
「……なるほど、これは噂以上、か」
ゆっくりと彼女が唇を拭う。
近衛兵たちは衝撃で固まり、侍女たちは顔を真っ赤にしている。
(やべぇ、やりすぎたか!?)
俺が内心ヒヤリとしたその時――
「――セイジ、お前を気に入れたぞ」
「は?」
「お前のキスの仕方、実に堂々としていた。余の心を乱すとはな……」
女王エルヴィアは、満足そうに微笑んだ。
そして、周囲に向かって高らかに宣言する。
「今日よりセイジを、我が王国の**“特別顧問”**として迎え入れる!」
――は?
「……ちょ、ちょっと待って、俺そんなつもりは……!」
「ふふ、余とここまで深いキスを交わしておいて、逃げられると思うな?」
エルヴィアが艶然と微笑む。
「余の“キスの相手”になったからには、それ相応の覚悟を持て」
(えっ、なにこれ、もしかして……!?)
――俺はこの瞬間、王国の歴史に名を刻む「伝説の男」になってしまったのだった。
第八章: 「特別顧問の一日 〜王国最高の“キスの申し子”〜」
――王国の「特別顧問」に任命されてしまった俺、セイジ。
まさか女王陛下とディープキスをしただけで、国の要職に就くとは思わなかった。
「……さて、特別顧問って何をするんだ?」
王宮の豪華な寝室で目を覚ました俺は、近くに控えていた侍女に尋ねた。
侍女は頬を染めながら、そっと俺の頬にキスをする。
「おはようございます、セイジ様」
「えっ、あ、おはよう……って、朝の挨拶もキスか?」
「もちろんです! 王宮の者として当然の礼儀でございます♡」
……この城の生活、大丈夫か?
7:00 AM 〜 朝のキス会議
「それでは、特別顧問のセイジ様、本日の朝会議を開始いたします」
俺が通されたのは、豪華な会議室。そこには女王エルヴィアをはじめとする王国の重要人物たちが並んでいた。
そして、俺が席につくなり――
「おはようございます、セイジ様」
「今朝も素晴らしい一日になりますように♡」
「では、正式な挨拶を……」
順番にキスされていく。
「ちょ、ちょっと待って!? これ、毎朝やるの!?」
「当然だ。これは王国のしきたりだ」
女王エルヴィアは余裕の笑みを浮かべる。
「だが、お前には“拒否する権利”もある。好きにするがいい」
(……いやいや、この流れで拒否したら色々めんどくさいだろ!)
結果、俺は毎朝、王国の貴族や大臣クラスの美人たちからキスの挨拶を受ける羽目になった。
10:00 AM 〜 キス外交
「本日は他国の姫君との謁見があります」
「謁見って……またキスするのか?」
「はい! それが王国の流儀です♡」
そして現れたのは、隣国の第一王女。
高貴な雰囲気を持つ金髪碧眼の美女が、優雅に近づいてきた。
「あなたがセイジ様ですね。初めまして……では、ご挨拶を」
いきなりのディープキス。
「ん……っ♡」
(待て待て待て、こんなに情熱的なキス、いきなりでいいのか!?)
「ふふ、貴方の噂は聞いていました。“拒まない男”として」
(いや、最近はちょっと拒否し始めたんだけど!?)
「私の国にも、この文化を持ち帰っても?」
「や、やめろ! キス文化を世界規模に広げるな!」
1:00 PM 〜 王宮視察(キス付き)
「本日は城下町の視察に向かいます」
王宮の騎士団と共に街を歩く俺。
しかし、王国民は俺の姿を見ると――
「あっ、セイジ様だ!!」
「わぁぁぁぁ! 初めてお会いできました!!」
「ご挨拶を……!」
次々とキスを求められる。
「ちょ、ちょっと待って! 俺、アイドルじゃねぇんだけど!?」
結局、拒否することもできず、気がついたら30人以上とキスしていた。
(このままいくと、王国全員とキスすることになるんじゃ……?)
6:00 PM 〜 女王との特別時間
「今日はよく働いたな、セイジ」
「いや、俺キスしかしてねぇよ!?」
夕食の席で女王エルヴィアが微笑む。
「王国のために貴様が存在してくれること、それが何よりの貢献だ」
「貢献って……ただのキスマシーンじゃねぇか!」
「では、今日の締めの“顧問としての儀式”をしようか」
「儀式?」
エルヴィアは俺の隣に座ると、俺の顎をそっと持ち上げた。
「――お前のすべてを、余に捧げよ」
そして、俺の唇を奪うように、今日一番深いキスをしてきた。
「んっ……はぁ……♡」
(あかん、これもう完全に恋人同士のキスや……!)
こうして、俺は異世界最高の「キスまみれ生活」を送ることになったのだった。
第九章: 「特別顧問の初給料日 〜異世界の報酬はキスとともに〜」
「セイジ様、本日は給金のお支払い日となります」
執務室にて、王宮の会計係が深々と頭を下げながら俺に報告する。
「えっ、マジで? 俺、給料もらえるの?」
「当然です! 王国の特別顧問としての職務に対する正当な報酬でございます」
……職務? 俺のやってることって“キスを拒まない”or“絶妙に拒む”だけじゃないか?
「まあ、くれるならありがたく受け取るけど……いくらなんだ?」
会計係が満面の笑みで、山積みの金貨が入った袋を俺の前に置く。
「こちら、セイジ様の今月分の報酬でございます!」
「えっ!? ちょっと待て、こんなに!?」
袋の中には金貨がぎっしり詰まっており、間違いなく大富豪クラスの大金だった。
「これは一体……?」
俺が困惑していると、女王エルヴィアが優雅に微笑む。
「余の唇を奪った男が、貧しいなどあってはならぬ」
「ちょっと待て、それだけの理由で!? ていうか、キスで給料上がるとかないよな!?」
「ふむ。お前が“女王陛下専用の特別なキス担当”という役職である以上、それなりの報酬を支払う必要がある」
「そんな役職聞いたことないんだけど!?」
会計係がすかさず補足する。
「セイジ様は、王国内外で話題の“拒まない男”でございます。女王陛下との関係もあり、その価値は計り知れません」
「おかげで国際的な外交も円滑になりました!」
「王国内の経済も活性化しています!」
「キスで経済が動く国ってどうなんだよ!?」
◆ そして、給料の使い道は……
「……こんなに金もらって、俺何に使えばいいんだ?」
さすがに城の生活は何でも揃っているから、特に買うものがない。
すると、エリシアがニコッと微笑みながら提案してきた。
「セイジさん、せっかくですから、お買い物でもいかがですか?」
「買い物……かぁ」
「それに、お買い物の際は、王国の人々ともご挨拶できますし♡」
「それ、結局キスする流れじゃねぇか!!」
……こうして俺の初給料日は、またキスまみれの一日になったのだった。
第十章: 「統計を取ってみた結果がヤバすぎた件」
「……さて、俺はこの異世界に転生してから、一体何回キスしてるんだ?」
ある日、ふと気になった俺は、**「1日のキス回数」**を正確にカウントしてみることにした。
「よし、朝から記録を取ってみよう」
俺は紙とペンを用意し、王宮のスケジュールを確認する。
◆ 朝の時間帯(7:00〜10:00)
対象者:王宮関係者
• 侍女たち(5人) …… 起床後の挨拶 → 5キス
• 近衛兵の女性隊長(1人) …… 勤務開始の儀礼 → 1キス
• エルヴィア陛下(1回) …… 朝の特別謁見 → 1キス(ディープ)
• 大臣クラスの女性3名 …… 朝会議の挨拶 → 3キス
• 城のメイドたち(6人) …… すれ違いざまの挨拶 → 6キス
【合計】16回(朝だけでこの数!?)
◆ 午前の時間帯(10:00〜13:00)
対象者:外交関連・王国の人々
• 隣国の王女(1人) …… 外交会談の挨拶 → 1キス(フレンチ)
• 宮廷魔術師(2人) …… 「魔力親和性チェック」と称した挨拶 → 2キス
• 街の視察時、村の女性たち(8人) …… 通常の挨拶 → 8キス
• 市場の商人(3人) …… 購入時の挨拶 → 3キス
• パン屋の娘(1人) …… 「良いパンが焼けたお祝い」として → 1キス
• 街の看板娘たち(4人) …… 一般的な挨拶 → 4キス
【合計】19回(外交関連でも普通にキスされるとか異常すぎる)
◆ 午後の時間帯(13:00〜18:00)
対象者:城下町・王宮関係
• 王国騎士団の女性兵士(5人) …… 訓練後の親睦 → 5キス
• 街の酒場の看板娘(2人) …… サービスの一環 → 2キス
• エルヴィア陛下(1回) …… 午後の執務報告 → 1キス(長め)
• 侍女たち(4人) …… お茶の時間の挨拶 → 4キス
• 王立学園の教師(2人) …… 学術会議での挨拶 → 2キス
• 王立図書館の受付嬢(1人) …… 図書貸出時の挨拶 → 1キス
• 城のメイド(3人) …… 掃除中の挨拶 → 3キス
【合計】18回(そろそろ感覚がマヒしてきた……)
◆ 夜の時間帯(18:00〜24:00)
対象者:親密な関係の人物
• エルヴィア陛下(1回) …… 夜の特別時間 → 1キス(超ディープ)
• エリシア(1回) …… 就寝前の見回り → 1キス
• 王宮の侍女たち(6人) …… 夜の挨拶 → 6キス
• お付きの宮廷魔術師(2人) …… 魔力チェック → 2キス
• 街の夜警の女性騎士(1人) …… 巡回時 → 1キス
【合計】11回(夜は少なめだが、エルヴィアとのキスが濃すぎる)
◆ 総計
1日で俺がしたキスの回数:64回
• 王族・貴族:12回
• 王宮関係者(侍女・メイド・兵士含む):22回
• 街の一般女性(商人・看板娘など):21回
• 特別枠(エルヴィア陛下・エリシアなど):9回
◆ 俺の結論
(おかしい。こんなに毎日キスしてるのに、俺の体が耐えられてるのが謎すぎる……!)
普通の人間なら唇が乾くとか、口が疲れるとか、絶対あるだろ! それなのに、まるで俺の体がこの世界の環境に適応しているかのように、全く問題なくこなしている。
(……もしかして、これも異世界転生補正の一種なのか?)
気になってエルヴィア陛下に尋ねてみた。
「なあ、俺……やっぱり転生者だから、この環境に適応してるのか?」
「ふむ。……いや、それは違うな」
「え?」
「単純に、お前のキスの才能が異常なのだ」
「……は?」
エルヴィア陛下は満足げに微笑む。
「お前は転生してきた時点で、この世界で最も優れたキスの才能を持って生まれた。だから、お前はどれだけキスをしても疲れないし、拒まれない」
「え、そんなの聞いてないんだけど!? 転生特典が“キスの適性”だったのかよ!?」
「……まぁ、余としてはそれで助かるがな?」
エルヴィアが再び俺の顎を持ち上げて、ゆっくりと顔を近づけてきた。
「ん……っ、はぁ……♡」
(やばい、またキスが増える!!)
こうして、俺の「キスまみれの異世界生活」は、今日も新たな記録を更新し続けるのだった。
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