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【AI創作ラノベ】運命のノート 第6~10話

前回の続きです。

もくじ

第6話「俺が女子トイレを使うのは当たり前」

 俺はノートを開き、さらなる一文を書き加えた。

 「俺が女子トイレを使うのは当たり前」

 更衣室での実験は大成功。誰一人として俺の行動を不審に思わなかった。

 ならば、トイレでも同じように通用するはずだ。

 体育の授業が終わり、汗をかいた俺は水分を補給しながら考える。

(さて、トイレに行くタイミングを見計らうか)

 普通なら、男子が女子トイレに入った瞬間、大騒ぎになる。

 だけど、このノートの力があれば──。

「悠真、トイレ行こ!」

 突然、隣にいた小川奈々が声をかけてきた。

「え?」

「何ぼーっとしてんの? 早くしないと次の授業始まっちゃうよ?」

 何の違和感もなく、俺の腕を引く奈々。

(……これは、もしかして)

 俺は期待しつつ、奈々と共に廊下を歩き、目の前の扉を開けた。

──そこは、完全に女子トイレだった。

 中には、すでに何人かの女子がいて、鏡の前で髪を整えていたり、個室から出てきたりしている。

 そして、俺が入ってきた瞬間の彼女たちの反応は──

「お、悠真も来たんだ!」

「悠真、ハンカチ貸してくれない?」

「ねえねえ、今度のテストやばくない?」

 ……当然のように受け入れられた。

(すげえ……)

 もはや「男子が女子トイレに入る」という概念すら、この世界には存在していない。

 俺は何食わぬ顔で手を洗い、ポケットからハンカチを取り出した。

「ほら、奈々」

「ありがとー!」

 自然に女子たちと会話しながら、完全にこの場に馴染んでいる。

 ──もはや、俺はこの世界で“特別な存在”になってしまったのかもしれない。

(これは……とことん試してみる価値があるな)

 俺は新たな願いを考えながら、微笑を浮かべた。

第7話「昼休みの新たな試み」

 体育が終わり、トイレの実験も成功した。

 次は昼ごはん──ここで何かできることはないか?

 ノートを開き、考える。

(昼休み……つまり、女子と自然に交流できる時間……)

 俺はこれまでの実験を振り返る。

キスの挨拶が当たり前になった

女子更衣室で着替えるのが当たり前になった

女子トイレを使うのが当たり前になった

 どれも完璧に成功している。

(なら、もう少し踏み込んだことを試してもいいんじゃないか?)

 俺はノートに新たな一文を書いた。

 「俺と一緒にお昼ご飯を食べるのが、女子にとってのステータスになる」

 この効果がどんな形で現れるのか、楽しみだ。

「悠真くーん! 一緒にご飯食べよっ!」

「いやいや、今日は私が誘ったんだから!」

「ちょっと待って、先週はあんたが一緒だったじゃん!」

 ──教室に戻ると、女子たちの争奪戦が始まっていた。

(おお……これはすごいぞ)

 普段はそれほど俺に興味を示さなかった女子たちまで、俺と昼ご飯を食べる権利を主張し始めている。

「じゃあ、今日は私が悠真くんと食べるってことで!」

 そう言って俺の腕を引いたのは、クラスの優等生相沢莉子(あいざわ りこ)

 彼女は清楚系で、成績も学年トップクラス。こんな子が積極的に俺を誘ってくるなんて……。

 しかし、当然ながら他の女子たちも黙っていなかった。

「ちょ、待って! 私も一緒に!」

「悠真くん、今日は私と食べるって約束したよね?」

「えっ!? そんな約束してない!」

 クラスの女子たちが、俺を巡って本気のバトルを繰り広げ始めた。

(……これ、想像以上にやばいかも)

 今までの願いと違って、これは**「女子同士の競争心」を刺激するものだった。**

 つまり、ただ俺に好意を持たせるのではなく、「私が一番近い存在でありたい」という感情を生み出してしまったのだ。

(さて、ここからどうする?)

 このまま放置してもいいが、せっかくならもう一歩踏み込んでみるか。

 俺はノートを取り出し、さらに一文を書き足した。

 「俺とお昼ご飯を食べる女子は、食べさせ合うのが当たり前」

「はい、悠真くん、あーん♡」

「え、いや、さすがにそれは……」

「え? 普通でしょ?」

 俺の目の前で、お弁当を持った莉子が当然のようにスプーンを差し出してきた。

 その周りでは、他の女子たちも同じように俺に「あーん」しようとする。

「悠真くん、こっちも食べて!」

「ねえ、私のも食べてくれる?」

(うわ、これ……)

 俺の想像以上に、「食べさせ合う」という行為が当然になっていた。

 昼休みの時間は、まるで恋人同士がイチャつく空間に変わってしまったのだった……。

(……これ、エスカレートしすぎるとやばいかもな)

 だが、この実験を通じて、俺はさらなる確信を得た。

 ──このノート、本当に世界を書き換えられる。

 ならば、次はどうする?

 俺は、新たな野望を抱きながら、残りの昼食を楽しむことにした。

第8話「俺が女湯に入るのは当たり前」

 放課後。

 更衣室、トイレときて、次に試すべきは──

(やっぱり温泉だよな)

 俺はノートを開き、ペンを走らせた。

 「俺が女湯に入るのは当たり前」

 だが、ここでひとつ問題がある。

(そもそも女湯に入れたところで、客層がアレだったら意味がないよな)

 せっかくの実験なんだから、環境も整えた方がいい。

 俺はさらに一文を書き足す。

 「16:00〜17:00は高校生と大学生のみが入れる時間」

 これで、理想的な環境が整ったはずだ。

「へぇ、こんなところに銭湯があったんだな」

 俺は、学校から少し離れた住宅街の銭湯「湯の華の湯」に足を運んだ。

 外観はどこにでもありそうな昔ながらの銭湯。

 だが、中に入ると──

(……おお?)

 俺の想像以上に若い女子が多い。

 制服姿の高校生や、ラフな服装の大学生らしき子たちが、カウンターで入浴券を買っている。

(やっぱりノートの影響で、16時台はこういう客層になったんだな)

 それを確認して、俺は女湯の暖簾をくぐった。

「お疲れ~!」

「ふぅ~、今日も授業長かったねぇ」

 女湯の脱衣所には、すでに何人もの女子たちがいた。

 だが、俺が入ってきても、誰一人として驚かない。

(……うん、完璧だ)

 やはり、ノートの影響は認識そのものを書き換える力がある。

 彼女たちにとって、「俺が女湯に入る」ことは当たり前のことになっている。

「悠真も今日は入りに来たんだ?」

「あぁ、まあな」

 俺は自然に受け入れられつつ、タオルを手にして浴場へと向かった。

 浴場の中も、やはり若い女性ばかり。

 ノートに書いた通り、この時間帯は完全に「高校生と大学生限定の女湯」になっている。

 湯気の中、楽しそうに会話しながら湯に浸かる女子たち。

(これは……想像以上にやばいかもしれない)

 俺はなるべく冷静を保ちながら、湯に浸かった。

 隣には、学校の同級生である藤崎彩花がいた。

「悠真、疲れたでしょ?」

「ああ……まあな」

「じゃあ、肩とか流そっか?」

(えっ……)

 彩花は、まるで当たり前のように桶にお湯を汲み、俺の背中にかけてきた。

(……ここまで自然に受け入れられると、逆に怖いな)

 俺は、自分がどこまで踏み込めるのかを、改めて思い知った。

(このノート……マジで世界を思い通りにできる

 そして、俺の頭の中には、さらに新しいアイデアが浮かび始めていた──。

第9話「藤崎彩花の家に泊まるのが当たり前」

 温泉での実験も成功し、俺は改めてノートの力を実感した。

(……やろうと思えば、本当になんでもできる)

 この力をどう使うか、慎重に考えた方がいいのかもしれない。

 だが、今日はもう十分に試したし、とりあえずゆっくり休みたい。

 そんなわけで、俺はノートを開き、新たな一文を書いた。

 「今晩、藤崎彩花が家に泊めてくれる」

 温泉からの帰り道。

 ちょうどいいタイミングで、スマホが震えた。

 ──藤崎彩花(LINE):悠真、今日うち泊まりに来るでしょ?

(……おぉ、もう発動したか)

 俺は何も言っていないのに、彩花の方から誘ってきた。

 これが「当たり前」になっているから、当然のように俺が泊まりに行く前提で話が進んでいる。

 すぐに俺は返信を打った。

 「ああ、よろしくな」

 こうして、俺は今日の寝床を確保した。

 夜。

 彩花の家に到着すると、彼女はすでに玄関で俺を迎えてくれていた。

「悠真、おかえり♡」

「お、おう」

 (なんか、もう普通に「家族」みたいな空気だな……)

 家に上がると、彩花はリビングへ案内してくれた。

「はい、これパジャマね」

「えっ、俺の分まで用意してるの?」

「うん。だって、悠真が泊まるのはいつものことでしょ?」

 彩花は当然のように微笑む。

(……これはやばいぞ)

 どうやら俺は、「時々泊まる」のではなく、常に泊まっている前提の世界になっているらしい。

 つまり、俺が藤崎彩花の家にいるのは「特別なこと」ではなく、彼女の家族ですら違和感を抱かない。

(マジで俺、この世界のルールを改変できるんだな……)

 夕飯も一緒に食べ、リビングでまったりしていると、彩花がふと口を開いた。

「ねえ、悠真……そろそろ寝る?」

「……ああ、そうだな」

 俺は、彩花の部屋へ向かいながら、次のノートの使い道を考えていた──。

第10話「もし想像したことが現実になるなら?」

 藤崎彩花の部屋。

 ベッドに腰掛けながら、俺はぼんやりと天井を見上げる。

(……さて、何をしようか)

 ここまで試してきて、ノートの力が本物なのは間違いない。

 だが、俺が思いつくのはありきたりな願望ばかりだ。

 もっと何か、突拍子もないことを考えられないか?

 ふと、横を見ると彩花が隣に座っていた。

 そこで俺は、何気なく尋ねてみた。

「なあ、彩花」

「ん?」

「もしさ、想像したことがなんでも現実になるとしたら……お前は何をする?」

 俺がそう聞くと、彩花は少し考え込んだ。

「なんでも?」

「そう、なんでも」

「……んー……」

 彩花はベッドに寝転がり、両手を頭の後ろで組む。

「じゃあね……まず、朝起きたらめっちゃ豪華な朝食が自動で出てくる世界がいいな!」

「お、おう……」

「それから、通学も電車とかじゃなくてワープで一瞬!」

「おぉ、意外と実用的なやつだな」

 俺が笑うと、彩花はケラケラと笑いながら、さらに続けた。

「あとね、世界中の可愛い動物たちとおしゃべりできるようになりたい!」

「動物とおしゃべり?」

「うん! そしたら、猫とか犬とかが何考えてるのか分かるし、相談にも乗ってあげられるでしょ?」

「……意外と優しい願いだな」

 俺が感心していると、彩花は少し頬を染めながら、ぽつりと言った。

「それと……好きな人とずっと一緒にいられる世界がいいかな……」

 ──好きな人と、ずっと一緒に。

 その言葉を聞いた瞬間、俺は少しだけドキッとした。

(……ノートを使えば、それすら叶えられるんだよな)

 でも、それを叶えるのは簡単すぎる。

 今の彩花の言葉を、単なるノートの力で現実にするのは、なんか違う気がした。

「そっか……」

「うん。でも、全部叶うわけないしね」

 彩花は苦笑しながら、俺を見上げる。

 俺はそんな彼女を見ながら、ノートを使うべきか、それとも……と考えていた。

 ──もし、何もかも思い通りにできるなら。

 俺は一体、どこまでやるべきなのか?

 そんなことを考えながら、俺は静かに夜を過ごしたのだった。

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